ファンタスティック映画主婦

専業主婦の専業主婦による専業主婦のためにはならない映画ブログ。考察などとは無縁の感想文は基本ネタバレ。独断と偏見による☆評価 満点は★5 (2017年4月「苺チョコレートをまるかじり」よりタイトル変更しました )

リリイ・シュシュのすべてーー酷評案件。閲覧注意。★(1.0)

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あらすじ
中学2年生の雄一は一部の同級生から金をたかられるなどのいじめを受けていた。そんなつらい現実の中で、唯一の拠り所が歌手のリリイ・シュシュだった。彼女の歌に救われた雄一はリリイのファンサイトを立ち上げ、リリイファンとの会話に安らぎを見出していくが…。




【警告】まったく褒めていません。この映画がお好きな方は間違いなく不快になると思いますので絶対に読まないで下さい。

ラストのネタバレもしています。







岩井俊二の2001年の話題作。観よう観ようと思いながら、なんだかんだとやっと観ることができました。ものすごく評判いいし、映画好きを名乗るならば観ておかなくちゃ、みたいなところがある映画じゃないですか。まぁこんだけ評価されてるんだから、絶対すげぇ面白いにに違いねえ、と変に期待して観ちゃったんですよね…。それが悪かったのか…。

岩井俊二は嫌いじゃない方だと思います。
『フライドドラゴンフィッシュ』や『スワロウテイル』の世界観は好きだし、『花とアリス』だって好きな映画だと思います。
でも、この人って多分、良くも悪くも「空気を切り取る」作家性があって、「物語を撮る」人ではないのですよね。だから、カットやシーンは印象深いものがあっても、ハナシ自体はそんなに記憶に残らない。もちろんそれは映画として決して悪い事ではなく、むしろプラスに働く場合もあるし、観賞後「物語はないけどいい映画だった」って思えることもあるし。


ただね、この映画に関してはこの監督のダメな部分と嫌な部分ばかり出てしまっていたような感じ。もうね、びっくりしました。あまりのつまらなさに。みんなこれ本気で面白いとか言ってたの?
どう考えても話めちゃくちゃだし、無駄なシーンの連続だし、映像がきれいとか言われているけど正直どこが?って感じですよ。あのさ、田園風景と制服の学生=ノスタルジーって言うのやめてもらえませんかね。
全体的に画質が変に粗いせいで安っぽく見えるし、自主制作映画だってもうちょいましな画造りしますよ。21世紀でさすがにあれはないよ。
沖縄旅行の件は本当に苦痛で、早く終われー!って祈ってました。あのシーン、絶対必要ないでしょ。あんな素人のハンディカム映像で何を映そうとしてたの?あれか、映像酔いさせて感覚を鈍らせようって魂胆か。

あとね、カタカタカタ…と終始入る文字がね、本当に目障りでしんどかった。文章自体もあまりにくどくて気持ち悪くて、いや、こういうの映画でやらなくていいから、って思った。
14歳の闇だ?とりあえず、何でもかんでも「心の闇」で片付けとけばいいと思うなよ。
14歳のリアルだ?いやいや、あんなんリアル言ってたら中学生みんな犯罪者になっちゃうよ(笑)。


いじめのシーンも、なんか中途半端なんですよね。素人に近い中学生に無理やりやらせてるから本気でできるわけはないので仕方ないのでしょうが、ちっともつらさとか痛みとかが伝わってこない。だったら中途半端に映さずに、音とかセリフで演出すればいい。
全体的にみんなやらされてる感があって、途中途中どうしても興がそがれてしまう。リアルというより、不自然さがかえって目立っていたよいに思いました。


ラストの展開もいただけない。
主人公がいじめっ子を刺す方向に持って行きたいなら、やっぱり何らかの伏線はないと。唐突すぎて衝撃も何もない。主人公は学年1位だった(言及はされていなかったけど、中1の忍成修吾との会話の演出から多分そうだよね?)こともあるほど頭はよかったわけだし、平凡で朴訥とした少年って役柄なのに、何でナイフを持っていたのか?そっちの方が気になるよ。
例えば自殺しようとしてナイフを手に取る、とか、お得意のカタカタカタの中でナイフの話題が出てくる、とか、何かしらの描写がないと。
もしかして岩井さん、14歳は全員凶器隠し持ってるとか思ってる?

そもそも映画全体に、監督のそういう偏見のようなものが垣間見えるんですよねぇ…。社会的なステレオタイプをそのまんま鵜呑みにしちゃってると言うか…。いや、そんなステレオタイプも、映画の中でリアリティがあれば文句なかったですよ。でも、リアリティを持たせる描写を怠っているように思えたんですよね、わたしには。それは「語らない演出」ではなく、ただの怠惰ですよ。
「若い子ってこんなことしてそう」→「みんなもそう思うでしょ?」っていう気持ちの悪い同調が根底にあったのだろうとしか思えない。
ラストに観客をあっと言わせたかったのかもしれないけれど、わたしにはとってつけた感があって、はぁ?って感じでした。しかも、それを綺麗に終わらせようとしてるところがまた不快。美化してんじゃねぇ。


音楽も、別に普通でした。それはそれで良いのですが、カリスマ歌手という設定が物語にまったく生かされていないのは問題ではないかと。
一部の熱狂的ファンだけに支持されていて…っていうのはわかったんですが、いまいち現実感がないというか、あまりに虚構過ぎて観ているこっちはシラけるだけです。

強いてよかったところを挙げるとすれば、今活躍している俳優の若い頃が見れたところ。
市原隼人若っ!蒼井優若っ!大沢たかお若っ!
わたしにとって見所はそれくらいでした。