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苺チョコレートをまるかじり

観賞した映画(DVD、TV放送含む)の感想をつらつらと書いていきます。独断と偏見による☆評価 満点は★5

神様メールーーキュートな神の子が人間界へやってきた!★★★★(4.0)

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あらすじ

神は実在し、ブリュッセルに住んでいるー。
神の娘エアは10歳。父である神はパソコンを使って世界を支配している。横柄で暴力的、面白半分に事故や災害を起こしたり、人間にいたずらをして楽しんでいるような最低の神だ。ある日、そんな父に怒りを覚えたエアは、人間を救おうと全人類に余命宣告メールを送信し、家を飛び出した…!
 
 
 
 
試写にて観賞。
劇場公開は5月27日です。
 
 
監督は「トト・ザ・ヒーロー」や「ミスター・ノーバディ」のジャコ・ヴァン・ドルマル。6年振りの新作だそうです。
ミスター・ノーバディ」はわたしはラストの展開がぶっ飛びすぎてて少し苦手でしたが、今作はとても好みの映画でした。
いかにもヨーロッパ的なブラックユーモアや間の取り方、ファンシーな映像。「神様はブリュッセルに住んでいる」って時点でこの映画のリアリティラインは察せられると思うので、この乗りに合うかどうかで好みが分かれるかもしれません。わたしはすごく楽しめました!
 
 
まず、主役の女の子がとてもかわいい。
「神の娘よ」とか「新・新約聖書を作るの」とか電波なこと言っているので普通に考えたら大丈夫?って感じなんだけど、なんだか不思議な魅力があって、何故だかすんなり受け入れられちゃう。
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あと、主題歌がいい。予告編でも流れていますが、爽快感がある曲で、歌詞も主人公エアの気持ちそのまま表していて愉快です。
調べたらAn Pierlé と言うベルギー出身の歌手の方の「Jours Peinards」と言う歌らしいです。
 


An Pierlé - Jours Peinards

「父親がムカついたから家出してやったわ!」って言う歌い出し。声もキュート。
 
それから凝ったエンドロールもよかったですね。一般的な黒地に白文字の普通のエンドロールではなく、とてもかわいいです。なお、一番最後にはおまけもあるので、終わるまで退出されない方が良いと思います。
 
ベルギーでは「マッド・マックス怒りのデスロード」よりヒットしたと言う触れ込み。もしかしたらある意味本家よりマッドかもしれないです(笑)。
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カトリーヌ・ドヌーブがゴリラとまさかのベッドイン。
 
とはいえ現在、ある特定の過激派たちによるテロ行為が多発し、ヨーロッパ各国で混乱や不安が渦巻いています。そんな国々で、このような映画が作られたこと、そしてたくさんの人たちが観たと言うことは大きな意味があると思うのです。
決して声高に世界平和を謳っているような映画では全くないのですが、なぜだか観終わった後に、世界が少しでもよくなるように願わずはいられなくなる映画でした。
 
 
 
以下ネタバレしています。とても面白かったので、ヨーロッパ映画が好きな人、キリスト教徒でない人、ポスターの女の子がかわいいな〜と思った人は、是非劇場へ足を運んでください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
わたしが気に入ったところ、面白かったところを箇条書きで。
 
 
①アダムで遊ぶな(笑)。
まずはじめに、プロローグ的にこの世界の成り立ちについてエアが解説してくれるのですが、「神は最初にブリュッセルを作った」と言っています。最初からこの映画がどういうタイプの映画かわかりますね(笑)。
そして神は暇つぶしに人間アダムを作ります。するとまっ裸のアダムの股間には黒い四角が。しかも、その黒い四角を手で払いのけようとするアダム。やめて(笑)!
 
 
①神の家と人間界はドラム式洗濯機でつながっ
ている!
なんでかって?多分そんなに意味はないと思うよ。ちなみに、神様が世界を支配するのに使っているのは旧式のデスクトップ。なんでかって?多分そんなに意味は…ry
 
 
②神様がモラハラ
この設定からして信仰している宗教をお持ちの方はイラッとくるかもしれないですね。わたしは無宗教なので、嬉々として事故を起こしたり、アホみたいな法則を作ったりしている神様を「確かに、本当に神様がいるならこんな感じだよな」と笑いながら観てましたが。
娘にも手をあげるし、暴言は吐くし、もう超ムカつく親父なんですよね。天下のイエス・キリストだって家出したくなるわ(笑)。
 
そんな神様もエアを追って人間界にやって来るのですが、そのモラハラな性格が災いして散々な目に合います(自業自得とも言う)。そして自分の設定した神の法則(レジで並ぶと隣の方が早く進む、とか)に苦しめられ…。結果、国外退去に(笑)。
 
 
③筆記係の浮浪者がいいキャラ
家出したエアがまず出会うのがヴィクトールと言うホームレスなのですが、彼がまたポンコツでいい。
エアが「兄の名前はJC(イエス・キリスト)よ」と言うと、「JC(ジャン=クロード)・ヴァン・ダムか?」と訊ねる。ベルギーの人にとってはヴァン・ダムの方が上なの?(笑)そんな彼はエアを追ってきた神と対峙した時、鶴拳のポーズを取ります。いい。神もそれ見て「怒りのドラゴンか」と返すんですけど、何これ(笑)。
 
 
④余命63年のクレイジー野郎ケヴィン
自分の余命がわかったことで、人間たちはそれぞれの選択をします。会社を辞める者、あえてこれまでと同じ生活をする者、戦場で武器を捨てる者…そんな中でおバカなケヴィンは死のダイブを繰り返して動画で公開するという暴挙に出ます(笑)。死ぬまで63年もあるから、どんなに無茶しても(パラシュートなしでスカイダイビングしても)、怪我はするけど死なないのです。あはは、バカめ(笑)。そんな彼は最後どうなるか…?はお楽しみに。
 
 
⑤適当すぎる使徒探し
予告編でもチラシなどでも特に言及していないのですが、エアが人間界へやってくるのは6人の使徒を探すためなんですね。しかも、6人の選び方も、引き出しからプロフィールを適当に引っつかんだだけ…。
なぜ6人かというと、兄イエスの使徒12人と合わせて18人にすると、野球ができるから(笑)。母である女神様は野球が大好きなんです…って神の一家、やること意味わからない!!
 
6人の使徒たちは、余命を知ったことでそれぞれ思い思いの決断をしているのですが、エアはそんな彼らがもっとよりよく生きられるよう助言して回ります(それを口述筆記するヴィクトールがちょいちょいポンコツでおかしい)。
それにより、皆運命の相手を見つけることができたのでした。
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ゴリラは使徒ではありません。念のため。
 
そんな使徒たちは、今度はエアのために手助けしたいと思うようになります。神の娘だからとか、不思議ちゃんだからとか関係なく、彼女の人徳(神の子なので人ではないけど)によるものなんだろうな、と。もしかしたらキリスト様も、奇跡云々ではなくてその人柄にみんな集まっていったのかもしれないなぁ。ちょっと危なっかしくて、つい見守ってあげたくなる感じ?
 
 
⑥唐突に活躍するママ=女神様!
ラスト、ママがまさかの大活躍。
神様のパソコンを使って新たな世界を作り出していくのです。
パソコンの再起動によって人々の余命はリセットされ、ウィリーとエアの恋は成就し、ヴィクトールが書いた「新・新約聖書」はベストセラーに。
重力は失われ、男も妊娠が可能になり、海底は人も歩ける。そして空は鮮やかな刺繍柄に…。
それはまるで子どもが描いたような夢の世界。
この展開をどう取るかは人それぞれだと思うのですが、わたしは素敵だな、と思いました。
 
おそらく、「恐怖や不安に打ち勝つのは、夢と希望に溢れたイマジネーションだ」ということだと思うんですよ。
不安定な社会情勢、テロリズム、そういった負の要素で人々は萎縮し、頑なになり、想像力を忘れる。でもそうではなくて、みんながよりよい世界を、夢のある世界を思い描こうよ、と言うメッセージなのではないかな、と。
…違うかな。
 
 
ただ、不満だったのは女神が最後まで白痴のようだったところ。夫である神がいなくなり、自由になれたのだから、自分の意思でパソコンを再起動して欲しかったな。パソコンのコンセント抜いちゃったのだって、ただのうっかりなわけで。うっかり女神様に世界が支配されてるなんて、考えただけでも恐怖だよ(笑)。
ただ、無垢で常識にとらわれない女神様だからあんなに素敵な世界を作り出せたのかもしれない。刺繍柄の空の下では戦争は起こらないし、嫌な法則も存在しない。自分のなりたいものになれるし、やりたいことができる、そんな世界。
そうだったらいいのにな。そうだったらいいのにな。
 
幸せになるにはまず幸せを願うことから。
平和にするにはまず平和を願うことから。
新しい世界の訪れを予感させる刺繍柄のエンドロールを眺めながら、なんだかそんなことを考えました。
 
 
 
 
ラストは今作にも負けず劣らずの超展開。

 

 

 

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