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ファンタスティック映画主婦

専業主婦の専業主婦による専業主婦のためにはならない映画ブログ。考察などとは無縁の感想文は基本ネタバレ。独断と偏見による☆評価 満点は★5 (2017年4月「苺チョコレートをまるかじり」よりタイトル変更しました )

ファインディング・ニモーー「子どもに何も起こらなければ、子どもは何もできない」★★★★(4.0)

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あらすじ
カクレクマノミのマーリンは、大きな魚に妻と卵の子どもたちを奪われた過去を持つ。そのせいで、唯一生き残った一人息子ニモを超過保護に育てていた。
ニモが初めて学校に行く日がやってきた。しかしマーリンは不安で仕方がなく、思わず後を追いかけてきてしまう。ニモはそんな心配性な父親に反発し、安全なサンゴ礁を飛び出してしまう。しかも運悪く、そのまま人間のダイバーに連れ去られてしまった…!
 
 
 
 
 
 
 
7月には続編の公開が控えている今作。予習(復習?)の意味も込めて再度観てみましたよ〜。
公開当時は爆発的にヒットして、熱帯魚店ではカクレクマノミが大人気に。水族館でもスルーされがちだった小魚の水槽に人が群がるという異常事態が発生。一大ニモブームを巻き起こしました。
今でも熱帯魚屋さんに行くとカクレクマノミは「あのニモ」みたいな紹介文を見かけたりしますが、もう10年以上も前の映画なんですよねー。
 
当時はまだ尖った大学生(?)だったわたしも今や子持ちの母親。もうこうなるとどうしたってマーリンに感情移入せざるを得ず、終始うるうるしちゃってました。いやー随分涙腺がゆるゆるになったもんだぜ…。
親にとって、「子どもがいなくなる」というのはどんなホラーよりも恐怖です。先週北海道で起きた男の子の行方不明事件も決して他人事のように思えず、胸が張り裂けそうでした…本当に見つかってよかったよ(泣)。
 
 
 
 
 
以下ネタバレありです。
 
 
 
 
 
 
 

海に行かずにダイビング気分!

海中の描写などはさすがのピクサークオリティ。夏場に観れば納涼効果が期待できそうです。学校に行くシーンのわくわく感と彩度の鮮やかさで、もうつかみはオッケー!って感じ。
 
また、キャラクターのやり過ぎ感もありつつ適度なデフォルメも愛らしいです。Blu-ray特典のスタッフ座談会によると、監督たち含め、誰も魚や海洋知識に詳しい人はいなかったようで、カクレクマノミを主人公にしたのも、「どの子ども用図鑑にも載っていたから」という理由だったのだそうです。そのチョイス、正解でしたね。小さな尻尾やヒレを必死に動かして泳ぐ、ニモやマーリンの姿にはこちらもついつい頑張れー!って応援したくなりました。
魚の生態的には間違った描写も多いと思うのですが(友好的なサメ、海面から顔を出す魚、あとはイワシの群れとか)、まぁ、この辺はアニメーションですから、目くじら立てずにいきましょうよ、と(笑)。
 
海を泳ぐ遊泳感も心地よく、これ新作は4DXやるのかな?すごく相性良さそう。
海流のシーンも素敵ですが、わたしが好きなのはクラゲですね。美しくも不気味な感じ、海の神秘を感じられます。
 
 
 

随所に垣間見える子育て論に「はっ!」とする

マーリンはニモが卵の頃に、最愛の妻と間もなく孵化しようとしていた卵たちを奪われたことで、海の危険を目の当たりにします。そうして唯一生き残ったニモを「絶対に危ない目に合わせない」と誓うのです。
また、ニモは片方のヒレだけが小さくまだ泳ぎが上手でない。そのせいでついつい過保護になりがちなんですね。
 
でも、マーリンのその姿勢は子どもの可能性を奪っていることでもある。
海流で、ウミガメのフラッシュが「子どもの力を信じようぜ」というのを聞いて、驚くと同時に納得もする。
問題から回避させているだけでは、問題を解決させる能力は育まれない。
その後、ドリーの「子どもに何も起きなければ、子どもは何もできないわ」というセリフから、マーリンはやっと自分の過ちに気がつく。それがラストのエモーショナルな展開につながっていきます。
 
昔観た時は気づかなかった(というか特に何とも思わなかった)んだけど、このマーリンの気持ちって、すこぶる正常な親心なんですよね。
子どもを危ない目に合わせたくない、怪我なく健康でいて欲しい…。だからついつい手や口を出したくなる。
わたしもどちらかというとマーリン寄りで、デパートだろうが歩道だろうが、外を歩く時は絶対に子どもの手を離したくないし、高い所には登らせたくないし、家の中でもついついあれはだめ、これはだめって言っちゃう…。
 
でも、ある程度自立できたなら、子どもの力を信じて後ろからそっと見守ってあげる心の余裕を持つのも大事なことなんだよなあ、と。
多少怪我しても、元気なら大丈夫。もし泣きついてきたら抱きしめてあげる。そうすることで子どもはまた、新しい世界へ飛び込むことが出来るし、挑戦する勇気を持てる。
…って頭ではわかっててもついつい手を出しちゃうんだよなー。
 
 
 

エモい展開が目白押し

ラスト、ニモが網に捕まった魚とともに「下へ下へ!」と泳いでいくシーンもかなり熱くなりますが、その他どのシーンをとっても胸アツ展開の連続。冒険物語の性質上、一難去ってまた一難でドキドキハラハラ。それ以外にもグッときたのはマーリンがニモを探しているという話が「噂」によってニモの耳に入り、それによってニモは諦めかけていた水槽からの脱出に再び挑戦するというところ。
父親の勇姿に子どもも自らを奮い立たせる。熱いじゃないかぁ〜!!
…でもそれでうまく行くわけではないのがニクい(笑)。
 
 
 

悪役がいない

ニモを連れ去ったのはシドニー在住の歯医者さん(確かに、個人のクリニックって熱帯魚の水槽よく置いてあるよね)。彼は決して悪意を持ってニモを連れ帰ったのではなく、「サンゴ礁から離れてさまよっていたところを助けてやった」と思っている。
また、水槽仲間が恐れている歯科矯正児の女の子も、魚に危害を加えるつもりはなく、ただ幼いだけ。ピクサー界の歯科矯正児と言えば、トイストーリーのシドですが、彼のような凶暴性はこの女の子にはない。
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こいつとは違う。
 
一応マーリンとドリーを脅かす存在として、サメ、チョウチンアンコウやクラゲなど登場しますが、どれも悪役というよりは「ただ本能に従順なだけ」といった印象。
この辺りを「好印象」と取るか「物足りない」と見るかは人それぞれですかね。
個人的には「mine(吹替ではチョーダイ)」と寄ってくるカモメが狂気じみてて怖かったですけど…。
 
 
 

ドリーの役割

図らずもマーリンを助けることになるナンヨウハギのドリー。数分前のこともすぐに忘れてしまう(もはや忘れん坊とは言えないレベル…)。最初はマーリン同様かなりイラつきます(笑)。でも彼女の明るさや天真爛漫さ、何事にも物怖じしない性格は、臆病者のマーリンを、時に鼓舞し、時に癒しながらニモ捜索に一役買います(字も読めるしね)。
 
物語を引っ掻き回すトラブルメイカーを担いながら、主人公を導く言わば「狂言回し」のような存在。
けれど終盤、マーリンに向かって「あなたといると落ち着くの」とドリーは言い、彼女が実はマーリンをある意味拠り所としていたということがわかります(続編でドリーは家族と別れた経験があると語られているので、おそらく息子を探すマーリンに自分を重ねていたのでは?とも思えます)。
 
このマーリンとドリーの関係性はあらゆるバディものの典型とも言えるものです。
現在公開中の「ズートピア」のジュディとニックも、知らず知らずに互いを必要とする関係へと変わっていきますよね。
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正反対な二人が力をあわせることで互いに唯一無二の存在になる。
 
最後には漁船の網に引っかかるという活躍(?)を見せ、親子の絆をより深める役割を果たします。
それにしても初対面にも関わらずドリーを助けようとするニモは本当にいい子や…。
 
 
 
そんなわけで、子探し物語としても、相棒映画としても楽しい今作。ますます続編が待ち遠しくなりました〜!!
 
 
 
 
今度の主役は健忘症のドリー。
公開は7月16日です!
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