ファンタスティック映画主婦

専業主婦の専業主婦による専業主婦のためにはならない映画ブログ。考察などとは無縁の感想文は基本ネタバレ。独断と偏見による☆評価 満点は★5 (2017年4月「苺チョコレートをまるかじり」よりタイトル変更しました )

アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅ーー赤の女王誕生秘話に泣く!でもあとは大して面白くない(笑)!!★★★(3.0)

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あらすじ

かつてアンダーランドを救ったアリス(ミア・ワシコウスカ)は、現実世界で貿易船の船長として活躍していた。しかし永い航海から帰って来た矢先、会社側から船を売りに出すよう打診される。途方に暮れるアリスの前に蝶のアブソレム(声:アラン・リックマン)が現れ、再びアンダーランドに足を踏み入れることに。

そこでお茶会メンバーからマッドハッターの異変を知らされたアリスは、彼の家族を救うため、時間を超える旅に出る!

 

 

 

 

 

 

前作は割りと好きで、キャロルの「不思議の国のアリス」では全くないけれど、ティム・バートン的な新しい解釈という意味では面白かったんですよね。突如ヒロイックファンタジーになる展開には面食らったけれど、現実世界に戻ってからのアリスの行動にはスカッとしたので、まぁ良しとしよう(上から目線  笑)。

ただ今作は前評判があまり良くないし、ミア・ワシコウスカがすっかり大きくなってふてぶてしさが増した分、「アリス」としてはどうなのかな〜と思うところもあり…。

まぁそこまで期待はせずに観てきました。

 

感想を一言で言うと…「アリス」ではねぇな(笑)。

 

 

以下ネタバレしています。 

 

 

 

 

 

 

良くも悪くもただのディズニー映画

荒海の中、海賊船の襲撃をアリスが機転を利かせて乗り切る冒頭のシーンは迫力もあって、掴みとしてはばっちりでした。「不可能なんて言葉は嫌いよ!」と船員に檄を飛ばし、自らも体を張るアリスが格好よく、これは意外と期待できるんじゃね?と思わず居ずまいを正して観ていたのですが…。それ以降、一気にトーンダウン。

不思議の国に赴いてからも前作であったようなワクワク感は一切なく、あれよあれよと慌ただしく話は進み、こちらの理解が及ばないうちにとってつけたようなオチ(今回はアリスの母ちゃんが女の自立に目覚めたよ!)がついて終わってました。

終始、今作で重要なアイテムとなる「クロノスフィア」の設定に穴がありすぎて、疑問だらけだったんですよ。最後までその疑問が解決されることはなく(ガジェット感は好みでしたが)…。タイムマシンなのはいいんだけど、そもそもあれ誰用なわけ?作られた目的はなに?いや、こんな突っ込みは無粋だとわかっているんだけどね(笑)。

あと、「過去の自分に会うと時間が破壊される」って言ってたのに、「クロノスフィアを戻したら元どおり!」って都合良すぎじゃね。

ファンタジーやSFにおいて重要なのは、設定や世界観に整合性があり、説得力があることだと思うんですよね。もしくはそんな疑問を抱かせる隙がないくらいに勢いがあること。

今作はそれらがどうも中途半端で、ずっと頭の中で疑問符がぐるぐるしてしていました。…わたしがもうおばちゃんになったってことですかね(泣)。

 

予定調和過ぎる展開、聞いたことあるような設定に、予想通りのオチ、そして何より残念だったのは魅力を欠いたキャラクター達ですよ。マッドハッターもチェシャ猫も、完全にモブ化。とりあえず前作のキャラ総出演してますよ!感ありあり。唯一、赤の女王だけはよかったです。 

ある意味、無駄が削ぎ落とされて観やすくはなったかもしれません。禅問答みたいな会話や、「アリス」特有のギミックもほとんどなくなり、純粋に物語だけが進んでいくので、「タイムトラベルファンタジーアドベンチャー」としては、一定水準の映画だったと思います。

…でも、これって「アリス」でやる必要ないよね?

 

前作がディズニー映画でありながらしっかりと監督や原作の色を出してきていたのですが、今回はあまりにも「ディズニー映画然」と成り下がっていたのではないかという印象。

衣装や美術にはこだわりが感じられ(船長服や中国産派手派手ドレスなど、アリスの衣装はとてもかわいい)、「時間」を視覚的に表現したイマジネーションあふれる映像も、なかなかセンスがあったと思います。でも、いまいち乗れない。物足りない…。

 

 

 

アリスについていけない

原作のアリスも、前作のアリスもいい意味で子どもだったんですよね。だから次々に襲いかかる理不尽な現象に振り回され、戸惑う様子に共感もできた。

でも今作のアリスは一定の地位ある立派な大人なんですよ。なのに社交場に場違いな派手派手衣装を着ていくわ、勝手に人の家を歩き回るわ、理由があるとは言え人の物を盗むわ、これを破天荒と言うべきなのか…わたしにはただの常識知らずにしか見えず。

それから、何の葛藤もなくあっちやこっちに時間旅行する様子に、とりあえずちょっと落ち着いてよ!と思ったりもしましたね…。

あとはあれだな、ミアのアリスにはもう初々しさがないんだな。強すぎる(笑)。もういっそのこと違う女優さんにしちゃえばよかったのに。そうなるともう完全に別物になっちゃうか。でもむしろその方が良かったんじゃね…?

それから嫌だったのは、一旦現実に戻ってくる展開ね。あれはいただけなかった! 

 

 

 

良かったところもあるよ

散々言っておきながらも星が3つなのは、やはり、赤の女王のエピソードが好きだったから。このシリーズの主役は実質彼女ですよ。

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暴君になった理由が明らかに。

 

子どもの頃から赤の女王は、長女であること=王位継承者であることに甘んじて、妹の白の女王に対して横柄だったことは間違いないのでしょう(白の女王の「わたしの分(のお菓子)は?」に「(あんたの分は)食べかすよ!」とか言ってるし)。

白の女王も、そんな姉に表だって刃向かうことはできず…けれど、隠れて食べた一欠片のクッキーについて親から追及されて「食べていない」と思わず子どもらしく嘘をついてしまう。濡れ衣を着せられた形の赤の女王は激昂して家を飛び出し、雪に足を取られて転倒。その際に頭を強く打ったことが「デカ頭」の原因となる。そしてそのことを大人になった今も根にもっているというわけ。

元々白の女王のアン・ハサウェイの胡散臭さがハナについていたので、最初は「こいつは子どもの頃から腹黒だったんやな…!」と思ったんだけど、よくよく考えてみれば、これってよくあるきょうだい喧嘩だよな。自分より妹(あるいは姉) の方が愛されていると感じてしまうことはきょうだい間では普通のこと。だからこそ、赤の女王がこのことを機により一層ねじくれてしまったのも理解ができましたね。

そしてそのきっかけが「一欠片のクッキー」というのも、「取り返しのつかないことのきっかけはいつも些末なことである」ということを表していてよかったと思います。

 

あとは新キャラ、タイム役のサシャ・バロン・コーエンね。

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小娘に振り回される残念なおっさんでした。

あの「ボラット」の人だったんですね。 

厳かに見えて間が抜けていて、頭悪そうなのに思慮深げでもある。ラストのシリアスな台詞と言い、魅力的なキャラクターだったと思います。

ただ、終わらないお茶会の種明かしは蛇足に感じてしまいましたね。

 

 

 

そんなわけで、続編としては褒められたものではないけれど、ファンタジーがお好きな方はそこそこ楽しめるんじゃないでしょうか。

まぁ前作だって手放しで傑作と呼べるようなもんでもなかったしね(笑)。もう続編が作られることはないでしょう。

 

…あ、マッドハッターの家族?赤の女王が蟻代わりに飼ってましたよ。