ファンタスティック映画主婦

雑食つまみ食い系映画感想ブログ

シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイアーー吸血鬼云々ではなく、ホモソーシャルの話だった。★★★☆(3.8)

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あらすじ

我々は、世界で初めてヴァンパイアの共同生活と、その祭事をカメラに収めることに成功した。これは、その記録であるーー。

ニュージーランドの首都ウェリントンで暮らす4人のヴァンパイアたちーヴィアゴ、ディーコン、ブラド、ピーターは、食器洗いについて諍いを起こしたり意見の相違はありつつも、夜の街やなじみのパブで遊んだり、オオカミ男をからかったり、楽しく愉快に(?)過ごしている。ある日、獲物として連れてこられた大学生のニックをピーターがヴァンパイアに変えてしまう。しかもあろうことか、ニックは人間の親友スチューをヴァンパイアの住処に連れてきて…。

 

 

 

 

 

 

公開当時気になっていたのにすっかり忘れていて、この間TSUTAYAさんで見かけて、そういえばこれまだ観てなかったな〜と思い、借りてきました。

 

あははは!笑った、笑った。

ほんと、楽しかったです。作品全体に真面目なバカさ加減が漂っています。

映画の作りは一応いわゆるモキュメンタリー。カメラクルーがヴァンパイアたちに密着して、その生活を撮る!って言う。

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ちゃんとロゴもあるよ!

「クルー全員が十字架を身につけている」とか言ってるんだけど、うーん、なんかそこら辺もバカバカしい(笑)。

  

しかもヴァンパイアだけではなく、ゾンビやオオカミ男まで出てくるから、いろいろお腹いっぱいです!

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このドキュメンタリー作成の目的は、一応アンデッドたちの集会の撮影ってことになっている。

 

「銀製品が苦手」とか「太陽の光を浴びると燃えちゃう」とか「オオカミ男と仲が悪い」などの基本に忠実(?)な吸血鬼あるあるも頻発で、そういうのを観ているだけでも面白いです。

あ、でも、ヴァンパイアなだけに結構血のり率は高いので、耐性のない人は気をつけて!

 

 

以下ネタバレあり。

 

 

 

 

 

 

やっぱ男同士って最高だよね!って話です。

今作はおそらく、ヴァンパイアやモンスターを題材に取りながらも、実際は男だけが関係性を持つ集団ーいわゆるホモソーシャルやブロマンス的なものを描いているんじゃないのかなぁと思ったんですよね。

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男同士でとにかくみんな楽しそうです。

 

「使い魔」(と言う名のパシリ)にされている人間の女性が出てきて、なかなかヴァンパイアにしてもらえないことに苛立ち、「あいつらはゲイなのよ!」と憤ったりもしてますし。

けれどもそれを揶揄すると言うよりは称賛しているところがある気もします。

要約すると、ある男集団(ヴァンパイア)に異質な若者(人間)が入ってきて、彼を巡って男たちがあたふたする話だったのかなぁ、なんて。とは言え、そのヒロイン的役割を担うスチューが見た目も中身もとぼけた感じで全く魅力を感じないんですけど…。ただほっぺたの血色はすこぶる良好で、それがヴァンパイアたちにはたまらないらしいです(笑)。

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左がみんなから愛されるスチュー。めっちゃ顔色がいい(笑)。仕事はIT関係。時代遅れで機械に疎いヴァンパイアたちにパソコンやスマホの使い方を教えてあげます。

 

ラストは、運悪く満月の日にオオカミ男と遭遇してしまい、スチューが襲われズタズタにされ(モザイク処理)、けれど死んだと思われたスチューがなんとオオカミ男として覚醒!あんなに仲違いしていたオオカミ男集団とヴァンパイア集団を仲良しにさせました〜というオチ。結局のところ「男同士ってやっぱりいいよね!」みたいな帰結(笑)。

なんか…心がほっこりしました。男子の部活のノリを見ているような、 微笑ましい気持ち。

 

 

ヴァンパイアっていろいろ大変なの。

前述したように吸血鬼あるあるが満載なんだけど、特におかしかったのはフライドポテトを食べたニックが、その後噴水のように吐いてたところ(もちろん吐瀉物は全部血です…オゲー)。

それから、スチューに頼んでパソコンで朝焼けの動画を見てせてもらうシーンも、なんだか切なくてよかったです。

ヴァンパイアって不死身だし空も飛べるし中二病的で格好いいけれど、日には当たれないし食事は人の血だけだし、いろいろ不便だなぁ…なんてね。もしお誘いを受けてもヴァンパイアにはならないようにしようっと(…って何のコッチャ?)。

 

ええとね、ちなみにわたしのお気に入りは8000歳のピーターです。 ニックが自分はヴァンパイアだと吹聴したせいでヴァンパイアハンターに殺されちゃいました…悲しい(泣)。

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歯と爪が伸び放題、寝るのは石棺、禿げた頭に古風な黒マント。ボケたおじいちゃんみたいでかわいいよ! みんなから一定の尊敬はされているけれど、扱いが要介護の老人にしか見えない…(笑)。

 

ヴィアゴがウェズリー・スナイプスの仮装をしていたのも愉快だったな〜。 

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おまけ・吸血鬼映画いろいろ

ちなみに今作の原題は「What we do in the shadows」。直訳すると「僕たちが暗がりでしている事」って感じかな?

邦題の元ネタはもちろんコレ。絶頂に美しかった頃のトム・クルーズとブラピが拝めます。あと、キルスティン・ダンストがめちゃくちゃかわいい。

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内容も雰囲気も全然違うけど、その道の女子たちにとっては登竜門的映画(違う?)。若い頃の松田龍平がちょう美形。大島渚の遺作。

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最近やたらと吸血鬼映画が多い気がする…。これはイライジャ・ウッドが製作総指揮をつとめたと話題になった(?)全編モノクロ作品。未見ですが、予告編の雰囲気はすごく良さげ。確かイライジャって「パリ・ジュテーム」ってオムニバスで吸血鬼?やってたよーな。

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こちらはジャームッシュのスタイリッシュな吸血鬼映画。オサレです。 

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シアーシャ・ローナンの魅力全開の吸血鬼映画。 

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