ファンタスティック映画主婦

雑食つまみ食い系映画感想ブログ

ドント・ブリーズーー【ネタバレ短評】暗くなるまでマタニティ。★★★(3.0)

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 あらすじ

 空き巣で日銭を稼ぐマニー、ロッキー、アレックスは大金を隠し持っているらしき盲目の老人を次のターゲットにする。しかしこの老人、するどい聴覚と身体能力を持つヤバイ奴だった…!

 

 

 見逃していた2016年の話題作、やっとこさ観ました。いやいや、評判に違わぬ面白さでした。ただ、勝手に「盲目ジイサン無双」だと勘違いしていたので、意外とジイサンが普通(いや、常人レベルではもちろんないのだけれど)だったので、「アレ?」と感じてしまったのは、きっと、誰のせいでもない…。

 

 

盲目じいさん、強いくてヤヴァい!

 それにしても、これはアイデア一発勝負映画でしたね。「盲目のジイサンが超強い&超変態(大事なのはこっち)」っていう…。この設定だけで本作は大成功なんじゃないですかね。盲目で強いから怖い、のではなく、かつ狂人だからこのジイサンが怖いのであって。視覚的怖さだけに頼らず、しっかりと内面的恐怖も感じさせるところが本作の秀逸なポイントだと思います。

 被害と加害の逆転、明と暗による障害の逆転などを意図的に起こすことによって、観ているこちら側の倫理観を狂わせる。一筋縄ではいかない人間の裏表。知ってはいけない秘密と知らせるための警報装置。ボタンのオンオフのように、それは簡単に切り替わるのだった。

 

 もちろん視覚的にも、ジイサンがこっち見てる!ってだけで緊迫感があったし、暗視カメラ状態になる演出も面白かった。主人公らの顔がもうガチで怯えているのが伝わってきました(あれ、きっと本当に見えなくて怖がってたんだよね?)。

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 でも、本作の一番のハイライトはやはり、地下室の例のアレでしょう。色とか質感とかもだけど、ちょっと毛が混じっているところとかが妙にリアルで、「うへぇ…」ってなった。むかーし読んだ漫画の『サイコメトラーエイジ』で、自分のアレを瓶詰めにして「白ジャム」とか言ってパンに塗って食わせようとする奴が出てきたのを思い出しました…。

  ジイサンに飲まして終わりだったけど、どうせならヒロインにもぶちまけて欲しかった…とか思うわたしも変態か?

 

 

続編があるの?

 ヒロインの親が典型的なダメ親で、妹と一緒に街(またしてもデトロイト)から抜け出そうとする、という事情に一応は同情はできるんだけど、強盗したのは事実だし、仲間も殺されてるわけだし、しれっと妹と仲良くカルフォルニア〜なんてのはムシが良すぎるなぁ、と。ラストシーンがあまりにあっさり塩味だったのでちょっと拍子抜け。

 それに、よくよく考えたらやっぱりジイサンは被害者だと思うし。いや、観てる間は「うわーヒロイン逃げろー!」って思ってたし、逃げ切れた時は「よかったー」と安堵したのは事実なんですけど。

 でもさ、娘が事故で死んで、加害者は裁かれなくて、憤りが頂点に達して気が触れたんだとしたら、ジイサンの行動も理解できるでしょ。いやできないか(笑)。でもでも、「償え」と言うのはジイサンなりに筋が通ってるじゃないですか。それに、わざわざスポイトで体内受精ですよ。紳士じゃないですか?(じゃない)。

 にしても、あれほどぞったする「レイプはしない」はないな…。

 続編があるとしたら、実はしっかりスポイト注入されてたヒロインが孕んでて、その子どもをジイサンが奪いにくる…っ話でどうでしょうか?その執念が怖い的な…。

 

 そうそう、ジイサンの格好が寝巻きのランニングっていうところはポイント高かったです。

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この上腕二頭筋を見よ!

いやージイサン(ってかスティーブン・ラングだからな!)かっこいい!続編はやっぱり『座頭市』路線でお願いします!

 

 

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