ファンタスティック映画主婦

専業主婦の専業主婦による専業主婦のためにはならない映画ブログ。考察などとは無縁の感想文は基本ネタバレ。独断と偏見による☆採点 満点は★5

ヘッド・ショットーー強い男は最高だ!けど強い男がメソメソしてるのも最高だ!!★★★★(4.0)

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あらすじ

裏社会の重鎮、リーが刑務所から脱獄する。同じ頃、海辺に傷だらけの男が打ち上げられる。一命はとりとめたものの、記憶を失っていた彼は女医アイリンにイシュマエルと名付けられる。回復に向かううち、互いに惹かれ合う二人。しかし、イシュマエルを殺そうと現れたリーの刺客により、アイリンがさらわれてしまう。イシュマエルはアイリンを救出するため、リーのアジトへ向かうが…。イシュマエルとリーの関係とは?彼の過去に一体何があったのか…?

 

 

 

 『ザ・レイド』『ザ・レイドGOKUDO』のイコ・ウワイス主演の映画でございます。

 いや〜もうね、

 

最高であった!!

 

 もちろん、イコ兄様が超強くてカッコよくて、並み居る敵をガシガシ殺していく様は指笛ものなんですが、それより何より前半の、記憶喪失でメソメソしてるイコたん(とあえて言いたい)がね、超超萌えるのだっ!

「ボクって誰なんだろ…もしかして悪い奴?」なんてションボリしてみたり…。

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 助けてくれた大好きなアイリンがジャカルタへ行くことになってしまい、別れの前夜「僕のこと忘れないで」とか泣いちゃうの。泣いちゃうの!!かわいすぎるうぅ。

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 アイリンの後ろをついて歩く姿なんてさ、なんかもう子犬みたいだしね。いやー、闘わないイコたん最高だなと(笑)。

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寝顔もかわいいよぅ…。

 

 アクションの方も、弾の無駄遣いすぎる銃撃戦と、ガッチガチの肉弾戦は容赦なさと痛さが過剰で、何度か思わず吹き出してしまったくらい(笑)。『ザ・レイド』ほどではないとは言え、お好きな方は十分満足できるレベルではないかと。 

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ラスボスとのタイマンバトルもすげかった。この画だけでもうたまらんよね〜 

 正直言って、「記憶喪失の男が実はヤバイ奴だった!」系の話は掃いて捨て続けられて一山築き上げた感あるし、手垢まみれでもはや曇りガラス並みなんですが、そんなのを差し置いても観るべき価値はある!(はず)

 イコ兄ファンは確実にチェック済みでしょうが、「あらやだ忘れてたっ!」というわたくしのようなオッチョコチョイさんは今すぐTSUTA屋さんへ急ぐのだっ!!

 

 

 

 

以下ネタバレあるよ〜

 

 

 

 

 

ここが素敵だ『ヘッド・ショット』①カットの繋ぎ方

 まず冒頭、刑務所から犯罪組織のボス、リーが脱獄する場面からなのですが、もうね、アホかってくらい銃弾が飛び交う。しかも、囚人側も看守側も防弾する気全くなし(笑)。そら全滅するわっていうね。そんな銃弾の雨が止んだ後、リーが屍を乗り越えて虫の息の看守の頭を壁でかち割る!(ヘッドをショット?)…と同時にタイトルババーン!

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カッコエエ。

 このオープニングで、もうついていこう!って気持ちになったしね、タイトルカット、大事。

 それから、カットの繋ぎがおっ!と思ったところが多々あり、例えばリーの子分がマフィアの下っ端(?)を皆殺しにする場面なんかは、室内と室外の切り替えがなかなか面白くて、

  • 外の殺し屋の口元がナイフで隠れる→室内の女殺し屋が口元のスカーフを外す
  • 室内の女殺し屋が拳銃で撃った敵が倒れる→敵を倒した外の殺し屋が警棒をしゅぱっ!とする

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シュパっ!

…ナドナド、動きのある凝った繋ぎが愉快でした。

 

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とりあえず、警棒が凶器だと言うことを身に染みて感じました。ただの棒でしょ?なんて甘く見てはいかん。

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ナイフ使いの殺し屋リカ。演じているのは『ザ・レイドGOKUDO』でわたしが大好きなハンマーガールを演じたジュリー・エステルさんです!

 

あと、戦闘中の神視点、「人物がガラスを破って外へ出るのを追ってカメラも天地が逆転する」カメラワーク(コレ何て言うんですかね?『レイドGOKUDO』なんかでもありましたな)など、見せ方はなかなか工夫してるな!と感じました。

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 ただ、その分カメラが結構動くので、見辛さはあります。ブレたり、イコ兄のカッチョエエ動きが追えてなかったり。まぁそこは、じっくりバトルを見たいか、動きのある画で飽きない方がいいか、好みの分かれるところでしょうか。

 

 

ここが素敵だ『ヘッド・ショット』②敵キャラたち

 イシュマエルはリー率いる殺し屋集団の一員で、組織から抜けようとしたためにかつての仲間から命を狙われることになったことが判明。

 前述したナイフ使いのリカ(彼女がイシュマエルの頭部を撃った)の他、二人組のショットガン使い、イシュマエルの弟分(?)の警棒使いなど、キャラの立ったかつての仲間たちがイシュマエルの前に立ちはだかるのです。

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わたしが気に入ったのは警棒使いのベシ。演じているのは『ザ・レイドGOKUDO』でこれまたわたしが大好きだったベースボールバットマン役のヴェリ・トリ・ヤリスマンでしたっ!

 得意な武器がみんな違うってのがまた少年心をくすぐられるよね。 イシュマエルも回想シーンで暗殺者時代には折れた刀を武器に使ってて、ツボだった…。

 

 わたしは、みんなそれぞれに心の奥底ではイシュマエルを逃がしたいと思ってたんじゃないかと思うんですよねー。わざと挑発するようなことを言ってトドメを刺させたり(生きてたらやはり殺し合わなきゃいけないので)、「見逃してやる」って言ってみたり、あえて弾をはずしたり…。リカも、もしかしたら最初に頭を撃った時、わざと急所を外したんじゃないかなぁ?

 

 でもってラスボス、リー。

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 彼は子どもをさらい、その子どもを殺し屋として育てており、イシュマエル(本名アブディ:意味は「忠誠心」)もその一人だったんですね。

 さらってきた子どもたちを空井戸に食事も与えず放置→数週間後、そこへ水のペットボトルを落とす→飢えた子どもらは水を奪い合い殺し合う→殺し屋の卵誕生!という血も涙もない育成システムで育てられた子どもたちは、盲目的に洗脳のような状態でリーを父と慕っている。

「地獄の父」なんて異名は、生き残った子どもを井戸から拾い上げるところから来ているのでしょう。

 そう言う意味でも、本作は父殺し映画、毒親からの解放系映画でもあると思うんだな。父と同じその血を受け継ぐ者として主人公がヒロイン(=マドンナ)に罪人としてなじられるのも、瀕死の父親が子を道連れにして死のうとするのも、それを間一髪でヒロインが助けるのも、象徴的です。

 

 

残念だったところ…

 そんなわけでいろいろ絶賛しましたけども、いくつか難点もありまして。

  • イシュマエルが組織を抜けようとした理由がよくわからない(殺しはうんざり、と言うふわっとした理由づけはあったけど…もう少し説得力のある理由が欲しかったなー。今回の自分みたいに仲間を殺した過去があった、とか。)
  • かつての仲間を殺しているにも関わらず、葛藤みたいなのがほとんどない(一応トドメを躊躇するシーンは何度かあったけど)

 …ナドナド。

 まぁ、はっきり言ってストーリー的には何の新しさもないし、アイリンが見守る病院のベッドで目覚めて「僕の名前はイシュマエルだ」と言って終わるラストシーンに至っては、「最初からこうなるってわかってたから!!」って感じだし(笑)。

 でも、これくらいの王道ストーリーの方が肉弾アクションを堪能したいならちょうどいいんでない?って気もするんですよね。シンプルイズベスト!!

 

 とにかく、最初にも書いたけど、泣いちゃうイコたんは超萌えますからそれを観るだけでもお釣りが来るくらいだと思いますんで。

 気になる方は是非是非!!!