ファンタスティック映画主婦

専業主婦の専業主婦による専業主婦のためにはならない映画ブログ。考察などとは無縁の感想文は基本ネタバレ。独断と偏見による☆評価 満点は★5

新感染 ファイナル・エクスプレスーー父と娘のジョイフルトレイン★★★★☆(4.8)

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あらすじ

 ファンドマネージャーのソグは一緒に住む娘のスアンを別居中の妻の元へ送り届けるため、釜山行きの高速鉄道に乗り込む。時を同じくしてソウルで謎の奇病による感染パニックが起こっていた。しかもソグとスアンの乗る列車にも感染者が乗車しており…。

 

 

 

 韓国発のゾンビ映画!!ということで、随分と前から話題になっていた本作。わたしも今年一番と言っても過言ではないくらい楽しみにしてまして。 

 そして先週、公開するやいなや、各方面から聞こえてくる大絶賛の嵐。そんなのを聞いちゃったらもう映画館で観るしかないでしょう!と、期待値マックスでの鑑賞となったわけですが…

 いやー面白かった!!

 これは期待以上!ゾンビものとしての基本も抑えつつ、韓国映画らしいウェットさとちょっとした笑い要素、そしてそして、

 超、泣ける(ToT)

 隣の人も女性お一人様だったんだけど、ハンカチで目をおさえてましたね。いや、ラストのアレはずるいでしょ。いやー、ヤラレました。

 

 さて、本作はソウルと釜山を結ぶ高速鉄道KTXが舞台となるわけですが、要するに日本で言う新幹線ですね。

 ソウルと釜山の位置を確認しますと、  

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国内交通事情|韓国観光ガイド|阪急交通社

 距離は423.8km、時間にすると2時間40分とのことなので、新幹線で言うと東京から大阪までくらいに考えたらいいのかな、と思います。

 

 ちなみに、映画評論家の町山智浩さんが、本作について「南北戦争における北朝鮮の侵攻」を元にしている、と言ってて。

 (こういうことしれっと言えちゃうこの人本当にすげぇなと思う)

 このことをちょっと頭の片隅に置いていたので、途中駅での恐怖の軍隊とか老姉妹の末路とか、もちろんラストシーンもなんだけど、感慨深く観れた気がします。

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老姉妹が遮られるのは北緯38度線ならぬ車両のドア…まさに同民族でありながら分断される朝鮮半島そのもの。お、おばぁちゃーん!!

 

 そんな新幹線…改め「新感染」がゾンビを乗せて疾走するって設定だけでも十分面白いのに、電車の中という「走る密室」の設定を生かしたアイデア満載の見せ方が続くので、全く飽きません。すごいよ、これは。…荷台って、結構頑丈なのね…。

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動きもキモいしめちゃくちゃ怖いゾンビたち。しかも速い系群がる系。

 

 そして、韓国映画のテンプレとも言っていい(?)ダメ父が娘のために頑張るストーリーにわたしは弱いので、健気でしっかり者の娘ちゃんに何度も泣かされました。

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このスアンちゃんが、めちゃくちゃ良い子でねぇ…。名ゼリフは「そういうこと言うのは悪い人だってママが言ってた」と「そんなんだからママもお家を出て行っちゃったんだね」

 

それから、わたしの(というか多分みんなの)イチオシはやはり、サンファ役のマ・ドンソクでしょうなぁ。

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最高にかっこいい!! 漢気の塊じゃ!!

 

もちろん、主人公ソグも序盤のやな奴からの覚醒が素晴らし!パパァ…(T-T) 

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 そんなわけで、ゾンビ好き、韓国映画好き、ダメ父映画好きにグサグサ刺さるこの映画、是非是非映画館で!

 何気に声優陣が豪華な吹替版も気になる〜!

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 これは円盤を買います。

 

 

 

 

以下ネタバレー。

 

 

 

 

 

 

今回は予告編等の画像と合わせてストーリーとキャラクター紹介をしていきますね。 

ゾンビ列車感染行き、発車します

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わたしスアン。パパと一緒にママのいる釜山まで電車で行くことになったんだ。パパはいつもお仕事が忙しくて、昨日の学芸会にも来てくれなかった。パパのために歌を歌うつもりだったのにな…。
トイレに行ったら震えて立てこもっている人がいたの。どうしたのかな、具合が悪いのかな。なんだか電車の中の人たちの様子もおかしいみたい。とにかく前の車両へ逃げなくちゃ。

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パパはいつも自分のことばかり。おばあちゃんに席をゆずったら「そんなことしなくていい、自分のことの方が大事だ」なんて言う。みんなを置いて逃げようとするし。きっとそんなだからママもお家を出て行っちゃったんだ…。わたしは、辛そうな人は助けたいと思う。パパもそういう人になってくれたらいいのにな。

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あれ、パパとはぐれちゃった。お腹に赤ちゃんのいるおばちゃんが助けてくれたよ。パパ、パパ、怖いのが近くにいるよ。早く助けて!

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俺はサンファ。妻のソンギョンの腹には俺の子どもがいる。電車内に溢れかえるあいつら、ただの人間じゃねぇぞ…。しかし隣にいるこのファンドマネジャー、ったくいけすかねぇ野郎だぜ。さっきは俺たちを締め出そうとしたし、証券屋はやっぱりろくな人間じゃねぇな。

一体どうなってんだ?テジョン駅で救助に来るって言ってた軍隊までおかしくなっちまってた。

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ソンギョンを守れるのは俺だけだ。今助けに行くから待ってろよ!

行くぞ、野郎ども!!

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僕はヨングク。高校の野球部の試合で釜山にみんなと行くはずだった。なのに…。みんな、僕のこと、わからないの?みんなのこと殴るなんてできないよ…アレ?トンネルで暗くなると動きが止まったぞ。目が見えてないからか?これなら助かるかもしれない。待ってて、ジニ!

 

そして生存者はクズと化す 

あたしはジニ。ねぇ、みんな聞いて、後ろの車両にまだ生きてる人がいるみたい。わたしの友達のヨングクが救出して一緒に…え?ドアを開けちゃダメ、ってどうして?あの人たちは無事よ、大丈夫。だからお願いドアを開けて!!

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あぁ、ヨングク…助かってよかった。でも、サンファっておじさんと、おばあさんが犠牲になったしまった。わたし、ここに生きている人たちのほうが、感染者より、ずっと怖い。 

 

ワタシはジョンギル。生き残った奴らが、騒いでる。さっき姉さんを助けてくれた人たちを、あいつらは閉め出した。さっさと入れてあげてればみんな助かったはずだ。姉さんはあいつらに殺された。姉さんはいつも人のことばかり考えて生きていた。なんてひどい人生だったんだろう。ねぇ、姉さん。こんな人間のゴミたち、滅んでしまえばいい。わたしも今、そっちに行くわ…。

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みんなゾンビになぁれ! 

 

暴走系ゾンビ機関車、間も無く発車しまーす!

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いそげー!

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おれたちもー

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乗せろー!

 

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私はスンヨン。絶対に生き残るぞ。他の奴らを犠牲にしても。高校生、運転士、悪いがみんな俺のために死んでくれ!私だけは釜山まで行ってやる!ははは、最後まで生き残るのは俺様だ!…あれ、なんだか体がおかしい…ぞ…ねぇ…そこのおじさん…ぼく、怖いよ…お家に…帰りたい…お母さんが待ってる…ガガガ…ウグ…ガァ〜!!

 

私はソグ。スンヨンとかいうクズもやっつけた。しかし、部下からかかってきた電話によると、元々は私の証券会社が株を操作して守ってやったバイオ会社から薬品が漏れた事が発端らしい…。でも、これでなんとか娘を釜山まで連れて行けそうだ。釜山は無事だと聞く。きっと大丈夫だ…。

あぁ、思い出すよ、あの日のことを。初めて娘のスアンを抱いた日のこと。今でも、鮮明に思い出せる。あれほど幸福だと思えた日はなかった…。スアン、私の大切なスアン…私の命に代えても、守ってみせる…さよならスアン…愛して…いる…よ…。

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わたしはソンギョン。わたしの愛しいサンファは…死んでしまった。わたしのために、そしてお腹の子のために。やっと釜山の入り口まで辿り着いた。わたしたちのために犠牲になってくれたスアンちゃんのパパのためにも、何としても生き延びなきゃ。トンネルの向こうに、人が見える…兵士?こちらに銃を向けているわ。

 

ねぇ、パパ。わたし歌うよ。パパのために歌うはずだった歌。
「黒雲が空を覆い 別れの日は来た…
アロハオエ アロハオエ また会う日まで…」
トンネルの向こうから人が来た。「生存者だ」って言ってる。でも、パパ、わたし最後まで歌うよ。パパに言われた通り、最後まで。
アロハオエ、アロハオエ…

ねぇ、パパ、わたしの歌が聞こえる?

 

生き残る資格 

 というわけで、終点までたどり着けたのはスアンと身重のソンギョンだけでした。二人に共通していたのは、他人を助けようとする気持ちを忘れなかったこと、そしてそんな彼女を命をかけて守ろうとしてくれた人がいたこと。決して諦めなかったこと。走り続けたこと。数少ない乗り継ぎ切符を手にできるのは、そんな「守り守られ甲斐のある人間」だけなんですね。

 他人を見殺しにしたり、身代わりにしたり、蹴落としたり、そんな人は間違いなく途中下車ですよ。

あなたは最後まで乗り続ける自信がありますか?その資格がありますか?

…なんだか自分の生き方を問われているような、そんな映画でした。ゾンビ映画の基本と新鮮さ、人間の倫理観における普遍的テーマ(これはゾンビの基本かな?)、そして父子愛に溢れた、傑作でございましたよ!

  

 それにしてもこの設定、どうして日本で作られなかったんだろう?今からでも遅くない、今すぐ『博多行き』を作るんだ!!…って一気にコメディ度が増した気がするのはナゼ(笑)。